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 新たなる時代。
 それを、誇りと信念と歓びと感謝に充ち満ちて、
 楽しく、意義深く、どこまでも徹底して満たされながら、
 優美に、軽やかに、そして勁[つよ]く、
 舞い躍るがごとく、歌うように、
 ・・・・活きたい。
 
 祝福と共に生まれ、喜びも悲しみも、
 すべて全面的に・トータルに受容しながら・徹底的に充実して活き切り、
 そしてやがて・・・・
 安らぎに満ちた穏やかな死を、そっと眠るが如く、静かに迎える。
 歓喜と感謝に満たされながら。
 
 そのように、私たちは生まれたい。
 そのように、私たちは生きたい。
 そのように、私たちは死にたい。
 
 宇宙的な創造原理たる、たおやかで慈悲深い女神の愛によって司られる世界に生まれ、女神の協調原理に基づいて調和的に生き、そして女神の子宮へと回帰する。
 そのような生まれ方、生き方、死に方を、あらゆる憲法に先だって普遍的に存在し、あらゆる人間によって等しく敬われるべき絶対的・根本的なる<人権>として、ここに新たに宣言する。
 
<人としての権利>とは・・・・、人であるというのは、そもそもいかなることなのか、という、自らの内面にある底なしの深淵に向かって私たちが投げかける根源的な生への問いかけに対する、<応え>であると同時に、形なきものから問い返されてもいるのだろう。
 ・・・・人が人らしくあるためには、何が大切なのか・・・・と。 
 ・・・・あなたはどのような生を選び、どのような死を選ぶのか、と。
 
 尊厳・・・・尊く、厳かなこと。
 内面より自ずから・自然に湧き溢れるところの<敬い>の気持ち。
 それは、自分自身に対しても、他者に対しても、まったく同様だ。
 その人を前にした時、あるいは単に思い起こすだけであっても、粛然として姿勢を正し、真っ正面から誠実に向き合わざるを得ない、そのような十全[トータル]さ。
 
 そのようで、私たちは在[あ]りたい。
 誕生から死まで、人生の始まりから終わりまでが、そのような尊厳に満たされていることを、我々は望み、志す。

 誕生とは、女性的な観点からは、臨月を迎えてこの世に生まれ落ちることだけでなく、子宮内における受胎をも、深く意味する。
 
 性的な悦びが女神の贈り物として、敬われ、讃えられる。
 そのような価値観、世界観に基づき、愛し合う男女が、互いを敬い合い、いたわり合いながら、深く深く愛し合い、やがて想像を絶する愛の絶頂[オーガズム]を歓喜と感謝に充ち満ちて迎える時・・・・・、
 宇宙的な扉が突如、開かれる。
 その扉を通ってやってくる、「女神の御遣い[みつかい]」をうやうやしく迎える。
 そのようにして、私たちはこの世に生を享けたい。
 
 あらゆる子供は女神からの授かりもの、あるいは預かりものであって、両親の私有物などでは断じてあらず。
 
 悦ばしきエクスタシーを通じて迎え入れられ、自らの裡に眠るエクスタシーを女神的な祝福に満たされながら目覚めさせ、他者とのエクスタティックな関係性を歓喜と感謝に満ちてつむいでゆく、そのような<生>を、私たちは切実に望む。
 
 男と女の関係も、女神的な価値観に基づく、もっと自由で柔軟性のあるものへと、社会レベルで移り変わってゆかねばならない。
 古い因習にとらわれた硬直的な男女の関係性によって縛られ、自由で奔放な活き活きとした<活力[ヴァイタリティ]>を抑圧するような生き方を、私たちはもはやこれ以上、望まない。
 
 男にも女にも平等に、自由に、愛を楽しむ権利が認められねばならない。
 それは、<愛の権利>だ。
 そのような男と女の関係性が、普遍的で、自然なものとみなされる、そのような社会で、私たちは暮らしたい。
 そのような生命肯定的な社会を、私たちは自ら創るのだと強く決意し、誇りをもって、今、立ち上がる。
 
 <性[セックス]>がこの上なく神聖な輝きに満たされている、そのような世界に生まれ、そのような世界で活き、そのような世界のために新たな創造[クリエイション]を貢ぎ捧げ、奉りながら・・・・・、そのような世界で安らかなエクスタシーに満ちた死を迎えることを、・・・・・私たちはこの上なく、切実に、そして誠実に、祈り・求める。
 
 かつて、人類が初めて月に第一歩を記した時の模様は、全世界に中継され、その印象と記憶が人類史に深く刻まれることとなった。
 月が女神のシンボルであることと思い合わせる時、それは様々な神話の元型[アーキタイプ]が複雑に交錯し合う、象徴的な出来事だったのだとわかる。
 男性原理的な機械文明の権化のごとき、太陽神アポロの名を冠した男根型の宇宙船が、大気の重さと引力の軛[くびき]を貫いて自らを天空の高みへと押し上げた。
 そして女神の神殿たる月へと、畏怖と畏敬の念に満たされつつ降り立った者は、全人類を代表して、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である(That's one small step for a man, one giant leap for mankind)」と高らかに宣言した。
 その人類の新たなる一歩とは、女神の道の第一歩だ。
 
 私たちが今、歩み始めた新たなる<道>を寿[ことほ]ぎ、その向かわんとするところを指し示すものとして、<愛の人権>をここに、女神への崇敬の念[おもい]に充ち満ちて、誇らかに宣言するものである。

 

 

 我らは、歓喜と感謝に満たされる!!!

DEDICATION

愛の人権宣言 〜すべての女性たちに捧ぐ〜

文/高木一行

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