高木一行の『ブログＴ　戯れせんとや生まれけむ　第41回〜42回　イエスのヒーリング・マントラ（前・後編）』。

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　ありとあらゆる状況において、「イエス」というマントラ（言葉）」を、声に出さず、黙唱することで、これほどの解放と変容が起こるとは！
　
　この「イエス」の言霊を毎日、何度も、唱えてみると、驚くべきことがわかりました。

　私自身や家族を傷つける人々に対する怒り、恨みを感じ、どうしようもなくイライラする時、「イエス」と幾度も唱えてみたのです。

　すると、普段は決して表に出てこない、どす黒い怨念とでもいうエネルギーがマグマのように沸き出し、私自身の存在を覆い尽くさんばかりになり、私という人間がネガティブなエネルギーで汚［けが］れていくような感じに圧倒されてしまったのですが、それでもなお、「イエス」「イエス」・・・とマントラを唱えていきました。

　こんな風に、他者に対して怒りや恨みを爆発されている自分自身を「イエス」とゆるし、受け容れると・・・・。

　相手を許さなければとか、相手を傷つけてやりたいとか、「相手」へ向かっていたエネルギーが、「イエス」のマントラによってすべて自分自身の内面へと集約されていったのです。

　すると・・・・！？

　今まで、怒りや恨み、暴力的エネルギーを抑圧して、体をギュ〜ッと固くしていたことに気づいたのです。

　どんな感情であれ、自然に沸き起こってくるのを止めることはできません。

　とくにネガティブな感情が溢れ出てきた時、それを感じないように、無感覚になるように、体を固くすることはできます。

　すると、自分自身の感情に対して、どんどん鈍感になっていくのですが、怒りや恨みなどの感情を感じている自分が許せないため、抑圧するという悪循環に陥っていたのです。

「私は＜いい人＞でありたい」という、＜いい人願望＞のエゴが、他者に怒りをぶつけるなど、＜いい人＞にあってはならないこと、と、感情を抑圧していたのです。

　それに気づいた時、私の世界観がガラガラと崩壊しました。

　私は決して「いい人」なんかじゃない。
　怒りや恨みを人に対してぶつけたい、という衝動や感情が、確かに存在する。
　それを抑圧していただけだったのだ。

　そしてまた「イエス」と唱えると・・・。

　「悪い子」である自分を受け入れ、ゆるすことで、とてつもない開放感が全身を覆い尽くし、歓喜と感謝に満たされたのです！

　自分を傷つけようとする相手に「イエス」ということは、相手のなすがままにされることではなく、自分自身が何かしらの働きかけを相手にする（あるいはしない）ことを許すことなのだ・・・。
　
　ネガティブな感情を「イエス」と唱えることで、受け容れ、ゆるした後、しばらくすると、他者や家族に対するあふれんばかりの愛情が、私を柔らかく包み込んでいました。

　憎しみは、愛と同じエネルギーの裏表である。と、インドの覚者OSHOラジニーシが述べていましたが、本当にその通りだったのです。

　他者に対する憎しみを解放することは、他者に対する愛情を解放することでもあった！！！

　憎しみ、怒りを抑圧していた分、愛も抑圧していたのです。
　愛を感じないようにするという代償をはらって、憎しみを抑圧する。

　けれども、抑圧してもその感情は残り、横隔膜の滞り、ブロックとして蓄積していくことは、ヴィルヘルム・ライヒ（精神分析家）の研究で報告されています。

「私は怒りや憎しみを感じないし、人を恨んだりしない」と、いくら思い込んでも、実はそこに存在しています。抑圧すればするほど、凝縮された形で身体に残っていくのだとしたら、憎しみすら受け容れ、解放した方が、どんなに楽でしょう。
　そして「愛」という大いなる恩寵が降り注がれるのですから、ネガティブな感情に向かい合うことは、決して悪いものではありません。

　それを可能とするのが、この「イエスのヒーリング・マントラ」なのです！！